あかぎれが痛い

お腹が痛い人のブログです。Techネタや旅行ネタ中心に書いてます。

2年間マンションの理事をやりきった。またやりたい

こんにちは。

Twitterのbioにも書いていますが、2020年から2022年まで今住んでるマンションの管理組合の理事をやってました。なんなら今年は副理事長でした。

自分の思いとしては今後もやっていい(多分やったら理事長にさせられてた)と思っているのですが、プライベートな事情から今年で一度理事から退任することにしました(理由はそのうち書きますが、理事会や管理組合とは全く別な都合です)。

管理会社からは、どのマンションも理事の成り手不足で苦労しているというお話をされていて、うちのマンションに至っては基本輪番制をとっている状態なのですが、理事会について勘違いしている人が多いという側面もありそうだったので、体験談・感想、なぜ理事を続けたいと思うのか、書いておこうと思います。

なぜ理事をやろうと思ったのか

そもそも自分は今住んでいる仙台には縁もゆかりもなく、2018年に引っ越してきた直後はだれも知り合いがいない状態でした。 幸い、IT系の勉強会に参加したり嫁がフリーランスやってた頃に使ってたシェアオフィスにお邪魔したりして知り合いはだいぶ増えたのですが、それとは別に、マンション内や近所で顔を合わせたら気軽に挨拶するようなレベルのご近所付きあいができる知り合いが欲しかった、というのが一番大きなモチベーションでした。 ワンルームマンションならいざ知らず、ファミリータイプのマンションともなると、いざ子供ができた時は結局近所の人には迷惑がかかるだろうし、近所の目で子供を見守ってもらえるだろうという打算的な思いです。

もうひとつの理由は、単純に古ぼけた中古マンションなんだから、自分が住みやすい家にしたい、という理由です。 たとえば、うちのマンションは築30年を超えているので、電気設備が貧弱で、各戸に引ける最大アンペア数が40Aと規約で謳われていて、流石に今後オール電化にしたくなったら対応できないな、とか、 EVに乗ってみたいから 今後来るかもしれないEV時代に備えて充電スポットを建屋内にほしいという意見を素早く理事会に届けたい、といったところです。

実際に理事をやってみてどうだったか

まず、目的だったご近所さんと顔見知りになるという目的はある程度達成できました。 全員と顔見知りになったわけではなかったですが、理事会で積極的に発言する人との良好な関係性を作れたと思っています。

次に、自分が住みやすいようにする、という観点で、非常に満足いく結果となりました。 共益部の修繕に関する色決めは理事会での意見が全面的に採用されるため、個人的には色味についての不満はない状態にできました。(そもへんも区分保有者全員の合意を得るべきでは?という考えもあると思いますが、理事会は毎月1回程度の開催頻度で物事を決めていく必要がありますし、修繕は素早く終えないといけない(そしてシステム開発と同様、期間が長くなればなるほどお金がかかる)ので、素早く完了させる必要があり、意思決定も素早くなければなりません)

また、EVの充電スポットについては、自分が理事になったタイミングで希望する意見を出していたことと、近年のEVの低価格化(補助金の拡充)により、むしろタウンユースの日頃の買い物にしか車を使わない人には経済面でも最適解であるという理事会での意識変容があり、前向きに継続検討していくことになりました。

他にも、理事会のIT化も提案したんですが、これは残念ながら実現には至りませんでしたが、管理会社からのウケは良く(現地に来なくて良くなるんだから当たり前ですが)、今後改善されるだろうなと楽天的に考えています。

じゃあ良いことだけだったのかというとそうではなく、大変だったこともあります。

それは、世代間の考え方のギャップが相当しんどい、過去のしがらみ、理事会開催のために業務都合をつける難しさの3点です。

世代間の考え方のギャップが相当しんどい

繰り返しになってしまいますが、住んでいるマンションは築30年以上の中古物件ですので、ほとんどの住民は、新築時に子育てをしていた団塊ジュニアです。なので、これから子育てをする仕事をしている世代との考え方のギャップがどうしても生まれます。例えば、今後マンションをどのように良くしていくべきか、という考え方も異なり、今の価値観で子育てしやすい・プライバシー維持したいという考えと、最低限の修繕で良いからそれよりも管理費を安くしてほしい、というような具合です。

幸い、今回理事をされているような方は「世代交代ができないとマンション運営が行き詰まってしまうので、若者の意見を積極的に取り入れたい」という意識の方が多く、私の意見を聞いてもらえましたし、なぜ今のような運用ルールになっているのかという説明もしていただけ、勉強になりました。

一方で、全住民を対象にした合意形成を行う場面ではそうもいかなかったシーンもあります。詳細は控えますが、丁寧に説得&場合によっては「あなた以外からは合意を得られている」というような、緩急のある意思疎通が必要なこともありました。これは、通常業務の中でも必要になる対人・マネジメントスキルが要求されるものでした。これも今の自分にとっては非常に勉強になるものでした。

過去のしがらみ

30年もマンションを運営していくと、本来とるべきルールが無視され、土地柄・住民の間で納得のいく合意が既に形成されていて、あるべき姿にする(戻す)ことができない・サンクコストが発生する、みたいなものもあります。たとえば、近隣の町内会との運用の整合性をどう取るか、みたいなものです。こればかりは、ステークホルダーが多すぎるので、一朝一夕にはいかないため、本気で取り組む人が出るまでは、そのままになるだろうな、という印象です。それがどうしても嫌で、理事会に参加したくない人や、そもそも自分が住んでいるマンションを嫌悪してしまうということが起こるような気がします。ここは、ある程度の割り切りや現実主義的な考えを持ち出さないとキツイな、という部分です。

理事会開催時の業務都合をつける

これが理事になりたい人が減っている・出てこない最も大きな理由ではないでしょうか。繰り返しになりますが、中古マンションでは主に定年を過ぎた人が重要人物になっており、基本的に理事会は平日に開催されます。私が住んでいるマンションのように、勤め人にも考慮した日程(平日だけど夕方に開催してくれる)であればまだ良いのですが、そうではないマンションの場合、いくら理事になりたいと思っていても、平日のコアタイムに仕事を中抜けさせてくれるような会社は少ないでしょう。 幸い、自分はフレックスなので、同じプロジェクトのメンバーに合意を取れば早退することは難易度が低かったので困りませんでしたが、来期の理事を輪番でお願いした方の数名が、仕事を理由に辞退されています。

なり手を増やすためには、IT化でオンラインミーティングを許可するとか、土日開催も検討するとかそういうソリューションが必要になってくるのですが、普通に考えて土日の貴重な休みをこのような議論の時間にしても良いという人は多くないのも理解できます。そして、オンラインミーティング化したところで、それに追従できる新築当時からの住民がどれほどいるだろうか、というのも大きな問題です。。。(肌感、半数以上の方はオンラインでも良いという意見ではあったのですが、声の大きな中心人物がNGを声高に叫んでしまうとなかなか難しい。。あえてその人の意見を否定するような近所付き合いがギスギスしかねない行動を取れないという、帽子を被り分けるのがしんどいという日本人らしい問題もあったりします_)

これからマンション理事をやらなければならない人に伝えたいこと

とまぁネガティブなことも書きましたが、普通に楽しいですよ、理事会。特に自分の住んでいるマンションをより良くする活動に参加できる、毎月払っている管理費の使い道を自分で決められるというのは、マンションを購入した人にしかできない権利なので、是非行使してほしいです。あと、知り合いが増えるのも個人的には楽しかったです。時代に反した考え方なのは理解していますが、他人に干渉しないということと、近所に住んでいる人と積極的に交流しないは意味が違うと思うんですよね。必要以上に交流する必要はないけど、少なくともコモンを共有している人たちなんだから、そういうコンテキストを共有できる人とは課題や良いことについて議論したり、井戸端会議をして、他の人がいろいろな事象についてどう考えているのかを知ることは大事じゃないでしょうか。

とはいえ、仕事の都合で参加が難しい場合でも、監査役という形で、合意形成結果についていちゃもんをつける議論が煮詰まっていない点を指摘したりすることは有意義ですので、理事会には参加しないけど書類には目を通すという形でも私はいいと思いました。

漫然と理事をやるとやらされ感を感じてしまうかもしれないので、任期中に自分が理事会で何を実現したいのか、個人的な要望で構わないので、何らかの目標を立てると、理事会の活動を自分ごと化できると思います。これが自分が理事を続けたかった理由で自分が巻いたEV充電スポット設置の話を自分が進めたいんですよね...(変な設備になったり、充電スポットの話自体が立ち消えにならないように...)

私は副理事までやりましたが、副理事は理事長が欠席したときのファシリや理事の意思決定をアシストするような意見だしをするだけでよいので、思ったほど大変ではなかったです。

ただ、理事長となると話は別で、管理費を管理している口座の名義を理事長名義に変えるとか、必要な書類に目を通して承認するという面倒な仕事があるので、業務都合がつきやすかったり、ご近所さんや管理会社の担当者からの信頼を得ているとか、ある程度条件が必要な気がします。いきなり理事長になるのではなく、まずは皆さんからの信頼を得るような行動をしたうえで、徐々に理事長の座を狙ってみてください。これは、マネジメントスキルに加えて、ある程度の人心掌握術も必要かもしれません(闇)。

新築マンションの事情は未経験なのでわかりませんが、皆さん顔見知りではない中、厳しいお金の話をする必要があるので、ある程度、面倒ごとが起こることを覚悟する必要かもしれません(管理会社がサポートしてくれると思いますが)。新築マンションだと、子育て世代が集まると思うので、理事会の開催日時やツール(オンラインミーティングなど)の提案は比較的楽かもしれませんね。

それでは。