あかぎれが痛い

お腹が痛い人のブログです。Techネタや旅行ネタ中心に書いてます。

村八分問題で感じるモヤモヤ

天理市の件、めっちゃもやもやしました。

恐ろしすぎる村八分…全くの孤立状態、葬儀にも来てもらえず 奈良県内自治会に「是正勧告」 - 弁護士ドットコム

村八分は絶対悪です。だたの集団私刑じゃないですか。

ただ、ネットの意見ですごい違和感があるのは、田舎暮らしを知らない都会の人が田舎は怖いといっていること。そして田舎サイドの意見が著しく少なく、もしあってもイケハヤのように偏りまくった意見しかない事。それに、田舎から都会に出てきた人も田舎が怖いということ。ひとつずつ私の思ったモヤモヤを出力して解きほぐそうと思います。

東京にも村八分はあった

集団の意識体に存在しない場合の見せしめとして村八分被害者が機能していて、その他大勢は集団意識を高める…この構図、要はいじめと変わりません。では、いじめは田舎にしかないのかというとそうではありません。東京では、高層マンションのヒエラルキーなど、社会問題として顕在化しているものもあります。ただ、都市と田舎で絶対的に違うのはコミュニティの数。もし村八分されたとして、被害者側に勇気があれば、問題なく別のコミュニティに参加することができちゃったりします(もちろん当人の人間性に問題がある場合はこれには当てはまらないんですが)。その為、大々的に問題になるケースは少なく、いざ問題になれば村八分した側が弾糾されるという浄化作用が都市にはあります。 一方、田舎には残念ながらコミュニティの数は多くないし、もしあったとしても、都市ほど住居の流動性が高くなく、コミュニティ間に距離的な隔たりがあったりするので、なかなか問題のコミュニティから抜けることが困難だったりします。よって、都市に比べて問題が深刻化しやすい傾向になってしまうのだと思います。。

東京だから民度がどうこうというのは間違っている

この以前の私のエントリでは、沿線ごとの個人的なランキングをつけさせてもらいました。そこで民度一位の路線として東急大井町線を挙げてはいますが、大井町線にも変な人が全くいないわけではありませんでした。あのランキングは、肌間で感じた低民度人の偏りに過ぎません。働きアリの中にサボるアリが必ず現れることをご存知でしょうか。それと同じように、民度の低い人は一定の割合で必ず発生してしまうのではないでしょうか。田舎だから民度が低いとか、都会だから民度が高いとかではなく、東京は人口が多いので、そういう残念な人に遭遇する可能性が高いのであって、(都市|田舎)だから民度が(低い|高い)とかを議論する意味はない。。。そんな気がします。

村八分する側の言い分にも一定の納得感がある

天理市の例は一旦置いておいて、山梨県北杜市の話をします。北杜市では以前、町内会費を払わないと共同のゴミ捨て場が使えないという村八分が行われていることを週刊誌が報じて話題になりましたが、覚えていますか?

移住ブームなのに…“村八分”あるある話 (1/2) 〈週刊朝日〉|AERA dot. (アエラドット)

あの話は、私には少なくとも、町内会側の言い分も一部は理解できました。ここから、実体験を語りたいのですが、昔、私の実家がある山形でも同じことがありました。もちろんその頃は町内会に入らないことの方が少数派でしたがもちろん一定数は存在ていましたし、無加入でもゴミ捨て場は使えていました。しかし、その事情が変わってしまう事件が起こります。近隣にマンションが建ち、そのマンションには専用のゴミ捨て場がなく、そこの住民は共同のゴミ捨て場を使っていました。しかしそのマンションの一部住民が、一切の分別をしないでゴミを出していました。結果、そのゴミだけ回収されず、町内会で行なっている月一回のゴミ捨て場清掃のタイミングで町内会側が再分別せざるを得なくなってしまいました。それが何ヶ月か続いたところ、今度は本来は有料のゴミをわざわざ遠方から捨てに来る人が現れてしまいました。そうなると町内会の予算では対応できなくなり、最終的に、マンションの管理会社にお願いし、マンション専用のゴミ捨て場を作った上で、共同のゴミ捨て場は町内会の加入者のみが使えるようにせざるを得なくなってしまいました。 北杜市の件がどう行った経緯であのゴミ捨てルールになったのかはが定かではありませんが、少なくとも私がこう行った体験をしたことがある以上、そのようなローカルルール出来上がるのは、致し方ないもではないでしょうか。ちなみに、市がこの問題に介入するのにも限度があると思います。似たような例はたくさんあるので、問題全てに介入するとなったら財源的に厳しいのは想像に難くないです。

まぁ、移住者を町内会に入れないのは絶対的におかしいんですけどね…

村八分している村は無くなってもいい

ただでさえ過疎化しているのに、移住者を受け入れないなんてどうかしているという声を見かけました。ごもっともなのですが、住民にとっては何の問題もないです。死ぬまでに町が残っていればいいと思っているはずです。日本全体で見ても、今年金もらってる人たちは「俺らがもらえればそれでいい」「医療費も俺らが死ぬまで自己負担2割ならいい」としか考えていないのに、限界集落の住民も、勝ち逃げできればいいと考えていても何ら不思議ではありません。つまりそれは、行きている間に村がなくなるには困るが、死んだ後のことは知らない、というのが彼らの言い分ではないでしょうか。困るのは、整備したインフラをメンテナンスし続けないといけないのに住民は減って減収になる自治体だけですね。

田舎が移住者に求めているものは何もない

今、移住者が増えている自治体も、大半は最初から受け入れがうまくいっていたわけではないです。最初に移住した人が、町を再生し、住民の意識を変えることができた町だけが移住者を増やすことに成功していると思った方がいいでしょう。住民は、閉じた世界でうまく行っているのに、今更やり方を変える必要はこれっぽっちも感じていません。 ざっくりいうと、移住者が過疎の町に店を出して繁盛し、元から町にあったお店にも人が増えてきた、といったサイクルが起きるとか、環境が変わったことで住民への何らかのフィードバックがあれば、意識が変わり、移住者を受け入れる土壌ができていくと思います。

田舎になにかを求めるだけの移住者になっていないか

「老後を静かに過ごしたい」「自給自足で暮らしたい」なんていうのは別に移住しなくても手に入ります。例えば、別荘を買うとか。ペンション経営するとか。今の働く世代は死ぬまで働くか、老人にできるような単純労働はAIが奪っていく可能性があるので、老後といった概念が消え失せるか、早く職を失い年金の支給が始まるまでの長い間を自力で堪える必要が出てきます。悠々自適な老後を送れるという前提条件が間違っていることに気づいて欲しいです。 それでも移住という選択で目的を果たしたいのであれば、移住予定地をいくつか洗い出し、あらかじめ地域の人とコネを持ったり、自分の想いを受け入れているのかを調べてから家を買うことを勧めます。だいたいどの自治体にも移住支援課やそれに準ずる組織があるので、そこで聞いてみてください。多分同じことを言われます。甘い考えの移住希望者にはお灸を据えられ、そして気分を害して田舎はクソとか言い出すんじゃないでしょうか。

田舎はクソだという地方出身者の正体

田舎から東京に出てきた人がよく口にする田舎は相互監視社会だから嫌という話があります。もし相互監視に嫌気がさして東京に行っていきっているのであればあなたこそ本当の意味で田舎者です。民度最悪の地方出身者の発想です。都市に出てきたからといって相互監視から抜けられるわけではありません。相互監視のスコープが、田舎の町からあなたの所属するコミュニティに変わるだけです。

A君とBちゃんが付き合っているレベルの話が一夜にして知れ渡るくらいであれば、田舎の悪いところとは言えません。そんなのTwitterとかLINE見てるだけも観測可能です。

田舎が怖くて仕方がない田舎者はすぐに都市に出たほうがいい

もちろん身の危険直結するようならその限りではないです。例えば、A君とBちゃんが付き合っていることを知ったC君がA君に危害を加えるようになった、C君を警察に突き出しても何もしてくれないみたいなコミュニティなら、ぜひ抜け出してください。危険なコミュニティに属する必要は全くないです。ただ、全ての田舎がそこまで危険だとはとても思えません。もしそのレベルで危険で残念な田舎なら、警察もマジョリティ側のコミュニティに属しているはずなので、国家権力が力にならないはず。その例が、山口連続殺人放火事件ではないでしょうか。そういうコミュニティで苦しんでいる人を救済できる仕組みは必要かもしれません。

山口連続殺人放火事件 - Wikipedia

人間に組み込まれた不具合を是正するシステムがあればいいのに

村八分やいじめが発生してしまうのは人間の脳の仕組みに起因しているという中野信子さんの本があります。

読みたいと思いつつまだ読めてないので本の中で語られているのであれば申し訳ないのですが、科学的にいじめのシステムがある程度解明されているのであれば、いじめが起きない仕組みを作っていくことはできると思うんですよね。じゃあ具体的にどうやったらいいのかは、全く見当もつきませんが。。。

閉じた世界から出よう

田舎は閉じた世界というのはその通りかもしれません。でも、都会も都会で閉じた世界の複合体でしかなく、閉じた世界間に接点が多いだけです。属しているコミュニティに限界を感じたら、抜けても構いません。失踪したっていいんじゃないでしょうか。

来る者を拒まないコミュニティは沢山あります。いろんなコミュニティに加わっておくことは、トラブルが起こった時の保険になります。これはエンジニア転職で言われている話でもあったりします(潰れたりブラック化したらすぐ別な会社に移れる、とかね)。 保険を作っておきましょう。これは自分自身へのメッセージでもあるんですが…

「どこの田舎もクソで村八分に合う」はデマ

これが私の言いたかった結論です。

ただし、繰り返しになりますが、危険な田舎が存在することもまた事実なので、その辺の情報は被害者を増やさないためにも積極的にネットや移住者を呼びたい自治体が集合知を作っていくことが求められます。

それでは。